BIM/CIM推進会議

BIM/CIM推進パートナー会議
日時:2015年7月3日(金)15:00~16:30
場所:品川プリンスホテル エメラルド28
講演者:山田 邦博 氏(前・国土交通省大臣官房技術審議官、現・近畿地方整備局局長(2015.10.01現在))
「国土交通省におけるCIM及び建設におけるICTを活用した情報化施工の推進」

 みなさんこんにちは。只今ご紹介いただきました国土交通省技術審議官の山田でございます。日頃より私ども国土交通行政の推進あたりまして、ご助力、ご支援賜りましてありがとうございます。先ほど吉田先生からもお話がありましたが、今日は国土交通省においてなぜCIMに取り組んでいるのかということと、どのくらい試行をおこなっているか、その中身をみていただいて、我々の意気込みだけはしっかりお伝えしたいと思っております。

 最初に自己紹介をさせていただきますと、私はもともと河川ばたけ、河川管理業務に長らく携わっておりました。平成20年には河川情報対策室長、いま増えている普通のレーダーで捉えられないゲリラ豪雨などを、波長の短いレーダーを用いてスポット的に捉える試みをしたり、河川の樋門がいつ、どの基準で造られたかデータベースにして管理したり、といった業務を行っておりました。また関東地方整備局の河川部長の時には八ッ場ダム、スーパー堤防に携わっておりました。それから治水課長時代に、ダムとかスーパー堤防をやりまして、いま技術審議官ということです。技術審議官は何をしているのかということですが、少なくとも技術は審議していません。実際には積算基準や入札契約制度といったものをメンテナンスしたり、また新しくつくったり、そういった技術開発をやっている、ということです。

人は少ない。どうやって仕事をしていこう?

 さてCIMを活用する社会的背景ですが、皆様ご存知の通り人口はどんどん減っています。建設産業はなかなか人が来てくれません。私は採用担当もやっていたのですが、ある場合は、恋人から「悪人にだけはならないで」と言われたということで、内々定を断られてしまったこともあります。またお母さん方からみると建設業は「危険な仕事」というイメージを持たれることもあります。土木という学科もなかなかなく、社会基盤整備工学科などに入学する学生も国際的な活躍がしたいからという理由であったり、なかなか土木をしたいという人は少ないのが現実です。こういった様々な要因で建設業の技能労働者が減っている今、どうやって社会資本整備を進めていくのか。中・長期的に担い手を確保するということは別途ありますが、人が少なくてもどうやってお仕事をしていくのか、それを考えていくときに、ICTは現場を効率化していくための一つの手段と言えようかと思います。

 人手が少なくなってきているということで、我々も調査をしてみたのですが、施工段階で調査・設計の中身をみると、その約4割で不具合が見つかりました。CIMという電子空間で情報を共有し、設計段階で施工のことを考えることができれば、そういった不具合も減らすことができます。不具合に気付かず現場に入るとかなりの時間がかかるものです。手戻りの無い効率的な施工の為に電子空間でのシミュレーションは大変有効で、計画から設計、施工、維持、管理と、現在「通し」になっていないところを全体で最適化していくことで、さらに生産性の向上へとつながります。そのために我々としてCIMを活用していこうということです。先程の「危険な仕事」というイメージの話ですが、かなり数は減ってきてはいるものの、依然、他の産業に比べると建設業の事故発生率は高くなっています。前もって施工の状況をシミュレーションでき、想像だけではわからない機械の動きなどが分かるCIMは、安全対策にとっても大変有効です。

選択と集中、インフラを賢く使う

 公共工事予算もこの2年で微増、ほぼ横ばいになっています。その中で、まず「安全・安心」に関わる「防災・減災・メンテナンス・耐震化」はメインストリームだから、計画的にやっていきましょうということになります。公共工事をやればお金が動いて景気が良くなるというフローの話だけではなく、例えば川に堤防を作り、「人を守る」地域ができるということは会社、色々な街ができ、経済が良くなっていくことにつながります。これを「ストック効果」といいますが、選択と集中をし、「ストック効果」の高い所に集中投資をしていきます。その際には当然効率よくやっていく必要があり、仕様の標準化や工事の平準化、CIMを使って生産性をあげていくということは特にやっていかなければならないことなのです。財政の再建にも経済の再生は必要で、公共工事は第2の矢と同時に第3の矢でもあるのです。

 建設産業活性化会議においてもどうやって人材を確保していくのかを議論しています。実際に人に来てもらうためには「処遇・誇り・将来性」この3つを大事にしていきましょう、それから建設生産システムの省力化・効率化もして、担い手が足りないところについては生産性をあげましょう、ということになっています。

 「国土のグランドデザイン2050」でも小さな拠点が一体となって地方が潤っていくんだと言っていますが、その中にインフラを賢く使いましょうとも掲げられています。例えば羽田空港ですが、現在川崎の上空は飛べず発着回数制限があります。そこが飛べるようになると滑走路の数は同じでも発着回数は飛躍的に伸びます。あるいは環状線も同様に残り4.7kmがつながることで、効果としては何十倍も得られます。そういった「選択と集中」、何をすれば賢く効果を得られるか、これが「インフラを賢く使う」ということです。工事の設計や施工においても技術革新をし、生産性をあげていこうということになっています。

 また、公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律(以下、品確法)が昨年国会を通過し、今年1月30日には発注者として具体的に何をしなければいけないのかを定める運用指針がでました。この品確法の改正の中で、担い手確保で「人」を確保することも重要ですが、施工技術や培った技術を電子空間の中に蓄えそれを「システム」として持っておく、それで公共工事の品質を確保していきましょうということをポイントとしてあげています。これは今年の目玉で、仕様の標準化、工期の平準化、ICTの活用などで作業効率をあげ品質を向上していく、今年はこの生産性の向上を是非やっていきましょうということになっています。

実際のCIMの取組(効果編)

 実際の取組ということですが、例えば、橋などの3次元モデルを電子空間につくり、調査設計の時の地形データ、詳細設計等のデータは、できたものとして持っておきます。そうすると、まずひとつは鉄筋が重なっていないかなどの干渉のチェックができます。計算、解析するときに間違っていないかの確認もでき、また住民の方にこんな風な橋ができるんですよ、と説明することもできます。

 またその設計の段階でつくった3次元モデルは、そのまま施工者に渡すことができます。起工する前に再度詳細な測量を行いますし、最後の測量を含めて3次元モデルとして持っておくと、完成した時どういう施工を行ったのかがわかります。つまり最初に設計で使ったモデルが維持、管理にまで使える、ということです。建設しっぱなし、という時代がありましたが、物をつくったけれど、どういうものをつくったのかがなかなか残っていない、特に地方公共団体の橋など、どの基準になっているのかなかなか分からないということがあります。その状況がまずいのではないかという懸念の下、検索をするとその基準に合ってない橋がどこにどうあるのかが分かる、そういったシステムで管理をしたいということです。CIMを導入しますと調査、設計、施工、維持、管理と、社会資本整備において色々な効果が期待できるという訳です。

 この世界最先端の建設生産システムCIMの導入ロードマップですが、これまでは設計なら設計、施工なら施工だけという形の部分的な試行で利活用できるかをやってきました。平成24年からはじまり、平成25年からは設計と施工両方で試行ときて、現在は現行基準の課題を整理し、CIMを導入するためのガイドラインをまとめているところです。平成28年のガイドラインの発行にあわせてより本格的にやっていこうというところです。

 平成26年度の試行事業のとりまとめでは、道路関係では33件、河川関係を含めると40件の試行件数になっています。そこで実際にどんなことをやっているのか、どういった効果が得られたかということですが、モデル事業では設計をする時にそれぞれの地質をモデル化し検討をしました。今まで頭の中でやっていたこと、地質ごとに色を付けて、構造物の地質を3次元的にあらわし可視化することで、どこにどんな基礎をいれたらよいのか間違えずにできる様になりました。可視化によって理解を助け、さらに、アイデアが出やすくなる、創造的な検討ができる様になった、ということです。

 もう一つは景観のお話で、パースを使ってやっていた景観の検討も、例えばどういう橋梁をつくるかというときに、下から見たらどうなるか地下から見たらどう見えるのか、担当者、地権者、周囲の住民の方の視線、遠くから、近くから、土を盛り上げたらこうなるよ、こういった様々な見方で確認ができ、話が進む、また事実がきちんと伝わるという効果が得られました。図面で見ると一般の方には分かってもらえないことも多くありますし、こうしてほしいああしてほしいといったニーズにも、模型だと作り直しが大変ですが、CIMのなかだと修正が楽にできます。景観はこうします、ここから見るとこう見えるんですよと色々なケースを作ることもできます。地元の方との合意形成に3次元モデルは有効で、現場からすると説明力が増したということです。理解を助けるという点では同じことが内部にも言え、意思決定のプロセスが早くなったりもします。

 また、数量を拾うという積算部隊からするとすごく手間な作業も、3次元のCIMがあれば、ここからここまで範囲指定すると数量をたちどころに計算することができます。一度やってみたところ担当者からは好評で、その精度については考えていかなければなりませんが、そういった基準にまで踏み込んで、使っていけるような環境にしていくことができればと思っています。

 また2次元の設計図面だとなかなかよく分からない、鉄筋干渉のチェックや不整合確認が、3次元の形として「見える化」することで可能になる、ということです。鉄筋と鉄筋がぶつかっていてもそれをみつけることはなかなか難しく、現場に行って初めて鉄筋と鉄筋が重なって入らないということが起きるなど、結果現場は苦労することになります。3次元の形として「見える化」できると干渉のチェックができ、手戻りがあってまた材料を発注しなきゃいけないというロスをなくすことができる、ということです。また設計を照査した時のフロントローディングの例では、2次元では非常に気が付きにくいようなフェンスの途切れ、といった不整合もCIMで3次元化として可視化をするとすぐにわかるようになったということもあります。

 可視化という点においては、導線の確認にも有効になります。橋の桁の管理用通路を作る際に、どこを通すと良いのか、そこは人が頭をぶつけずに行けるのか、人が歩けるくらいの幅なのか等が確認でき、歩いている人の目線から導線の確認をすることがでます。

 危険予知、安全対策にもCIMは有効です。工事現場でクレーンが旋回する範囲に危険なものがないかどうか、一目瞭然で判断することができます。工事段階に応じて機械が動き場所も変わっていきますが、いままでは一つの図面で時系列順に示すことが難しかったのですが、大きな重機が入る段階で事前にチェックすることができます。初めて現場に入られる方、またKY運動においても3Dモデルを使い可視化してみせることで安全教育にも効率的に働きます。管路の土被り、不可視部分の安全情報などがわかりやすくなり、何が入っているのかとか、ここは本当は空洞だよ、そういったことを可視化し、また工事の内容の説明も伝わりやすくなります。

 平成26年度の試行の状況ですが、調査を行ったところ、さきほどお話したような可視化で条件の確認ができる、誤認の防止に寄与できるのではないかという意見があげられました。それから橋台付近の人が通るような踏み掛け版や、排水がどう考慮されているのか、擁壁の取り合いがどうなっているのかなど、不整合が確認できるとも回答がありました。昔いた設計のプロフェッショナルも減り、最近は仕事も多様化してきています。図面を見てすぐに判断できる、そういった図面を見る力は育まれにくくなっていますが、可視化して、そういったことが必要でなくなるのであればこれで対応できるのではないかと思います。出来た後にもう一回作り直しといったことを無くすこともでき、可視化による品質向上が認められました。

 また、協議・打合せの円滑化というところでも、立体的な具材で確認ができ、お互いがきちんと理解することができたという成果がありました。お話をしていてもおどろくほどコミュニケーションがとれていない、伝えたつもりが伝わっていないと感じることが多くあります。「見せる」、というか「モノとしてきちんと伝える、示す」ことがものすごく重要で、思い違いや認識の差を排除していかなければならないということです。

 これまでは施工時に品質管理し、出来高はこうだ、で終わってしまっていました。検査の時に提出するとそこまでで物事が完結していました。施工は施工で完結していて、管理のときにそういうデータは使われていませんでした。どこが弱点だというデータがなかなかなく、例えばダムならば、場所によって一番下の岩着が完璧にいっているところと、基準には合致しているが、他の場所と比較すると、技術者として心配なところがあって、漏水をはかるとそういうところに現れたりするのですが、もともとわかっていればそれに対応した仕事ができます。今の状況はつくった人の頭の中にしかなく、管理の人も前任者に聞かなければわからないわけですが、そういったことをデータ管理しておくことはものすごく重要で、CIMにするとそれができるということです。建設省から国土交通省に変わりましたから、建設しっぱなしにならないようにする、それはとても重要だと思っています。

 検査は施工業者の方からするとすごく手間というお話ですが、私たち担当者からすると紙の方が慣れているということもあり、好意で電子データと紙の両方で提出される建設業者の方が多くいらっしゃいます。しかしこれからは、簡素化のために、タブレットで対応できるようにしていく予定です。工事関係書類の簡素化ということで、電子データと紙両方は受け取らないようにと私の名前で通達も出しておりますので、これが守られていないようでしたら私のところまでお知らせください。監督職員に気を遣っていただいているのでしょうけれど、書類が多いからと言って点数が上がるということもありませんし、また発注者も受注者も、頭の中を電子化しないと負担が多くなってしまうという例もあります。こういった試行をくどいくらいにやって色々な方々の意見を聞いて、課題を抽出し、慣れていっていただきたいというのもあります。

実際のCIMの取組(課題編)

 平成26年の試行工事では、約4分の3の方から効果があった、という意見をいただきましたが、いいところだけではなく、課題ももちろんあります。

 まずCIMに精通している人がまだあまりおらず、これからどうやってそういった方を育成していくのかが課題のひとつです。また何事も、最初にやる方は作り込みが必要で大変手間がかかります。何事も先頭きっていく方はとても大変ということです。そういったCIMオペレーターの育成と同時に、それぞれの会社内でのPC環境の整備も必要ですし、その整備に理解をいただくことも必要です。

 3Dモデル自体を作る、設定できる人材も不足しています。また新規ソフトウェアなので当然、操作の仕方が分からないということもありますし、全体としてのサポート体制を整えていく必要があります。さらに機器ソフトのデータ容量がかなり大きくなるため、負荷がかからないようなソフトウェアの改良も必要です。また発注図に関わる図面を1から書けるというソフトになってないということもありますし、そういった細かい、システムを作る人と仕事をする人の間で目線がうまく合わないところもあったりします。

 また、全部を満足するものをつくろうとすると一番精度のあるものにあわせなければいけないことになり、膨大な精力が必要になります。規模にあわせて3次元レベルを省略できるものはしていく、3次元がいるものいらないもの、それぞれごとに考えていく必要があります。2次元でよいものについての3次元化は効率化とは言えないし、作り込みのレベルもここは3次元、ここは2次、2.5次といった整理をすることが必要といえます。
モデル図化、モデル更新等に時間を要するということもあります。本省にいますと、どうしても画一的にやりたがるので、そうじゃないという意見を是非頂きたい、目的はCIM化することではなくて、現場を効率化することです。システム開発する方も、こういったこともあるんじゃないかなと思います。

これから

 官側が主導でやってきたCIMの推進ですが今後は「学」にもはいっていただいて、「産学官」で導入していく体制を作る必要があります。一律にやるのも非効率ですし、効果があると思われるところから試行事業をすすめていきます。スケジュールとしては平成27年度末には検討を終えてガイドラインに結び付けていこうと思っています。どういうものが必要なのかをきちんと考え、無駄なことになってしまわないように、モデルの制度を検討していきます。

 それぞれの段階でどういう情報が必要であるか、設計から施工、施工から管理というデータの受け渡しをする際に責任問題が生じてきますが、どこからそれをオープンにしてやっていくのか、どこまでがどの責任なのか瑕疵はどうなるのか、そういったことも検討していく必要があります。「産官学」での検討、3つが一緒になって、そういうCIMの検討をやっていきましょうというところです。

 不幸なことに発注者と受注者が顔合をわせてはいけないと言われていた時期もありました。コミュニケーションがなかなかできなかった訳ですが、そういったコミュニケーションのツールとしてもCIMは非常に有効です。受注者の方は契約図書に書いてあるからと、それを金科玉条かと思って工程を細かくやってくださるのですが、一言、担当に聞いていただければ、ぐっと縮めることができたといったようなことがたくさんあります。受注者、発注者の目線をあわせていきましょうと日本建設業連合会さんと一緒にやっているところです。本当に不幸だと思うのですが、我々お互い人間同士なので情報交換すればいいんです。単に話していると、言葉というものは消えてしまいますし、なかなか通じにくいところもあります。実際、今も一生懸命お話していますが、皆様方それぞれ受け取り方が違う場合もあろうかと思います。言葉とはそういうもので、人間視覚が70パーセントとも言われていますが、CIMはそういった点でコミュニケーションのツールとしても有効であると感じています。

 このCIMを検討する体制ですが、官は私たち国土交通省を筆頭にした各組織、学は土木学会、産は吉田先生の財団のような研究団体、こういったところで幅広く意見を聞いて、3つ一緒になって検討を進めていきましょうというところです。具体的なCIM構築の検討箇所ですと、例えば新聞等でも取り上げられていますが胆沢ダムがあります。胆沢ダムの管理に際しタブレットで日常管理をするなど、できたものの可視化をし、どこがどうなっているかを目で見てわかるようにしていきましょう、といったことをやっております。

 点であるダムは比較的電子化しやすく、線である道路や堤防を電子機器で対応していくのかはなかなか難しいということもあります。3世紀前にできた堤防で、中身が何でできているか、なかなかわからないなどというがありました。

 2011年3月の地震では東北に甚大な被害が出ましたが、関東事務所でも1,000か所くらい、被害を受けました。どこにひびが入っているか調べて全部埋めましたが、責任者としては非常に心配で、不可視の部分が何とかわからないかと電探とか物理探査を用いてやってみたのですが、そういった技術が今はなかなかなく、技術開発も必要だと考えました。施工段階からデータベースをつくっておけばそういった時に分かりやすいし、どこがどの土でできているのかとか、どの砂が来ているのかといったことが非常に重要で、こういったことがCIMの中で管理に使えるのではないかと思います。

情報化施工

 CIMのうちのある施工の部分を取り出すと「情報化施工」という言葉になりますが、情報化施工データを活用した生産性向上にも取り組んでいます。貸し出しているセンサーを機械につけると情報化施工ができるわけですが、凸凹がすぐわかって、それにあわせて土量がバランスできるようなところで掘削をするといったことが可能になります。このようなことをやっていくと非熟練者でも熟練者と変わらないくらいの施工をすることができます。こういったことはやはり慣れが大事で、ゲームが大好きな人な若い方はシミュレーションをすると、時を忘れてやっていたりします。

 さらに、「使う」から「活かす」へ、情報化施工データを活用して生産性を上げていくための取り組みも設定しています。CIMを導入して作成した3次元データを元に、技術の有効性を検証・評価したり、調査設計から維持管理までデータの活用、地方公共団体の工事における情報化施工の普及、あるいは教育や周知についても今後具体的な目標を掲げて取り組んでいきましょうということになっております。

 情報化施工推進戦略では、トータルステーション(TS)を用いた出来高管理を一般化していきましょうということを掲げています。国土交通省直轄の工事では平成25年度より土工工事(1万m3以上)においてTS出来形管理が一般化されましたが、1万m3未満も一般化推進技術から一般化していきたいと思っています。施工管理基準も変えていかなければならないというのもありますが、監督や検査の際にもTSの電子情報で対応できればというところです。TSを用いた下線土工と護岸工の一連工事では、河川土工で基礎データを電子化し管理すると作業短縮ができることも分かりました。河川土工では作業が増えましたが、護岸工では減少し、トータルとしての作業量が減少できたということです。

 また、設計データと情報化施工のデータ連携に向けた検討ですが、設計データを納品すると2次元になってしまいますが、共通フォーマット形式を用いた3次元データで直接提供すれば有効に使えるということで、こういった利活用を平成28年度からガイドラインに沿って、実際に試行・検証をやっていきましょうということになっております。

社会資本整備の将来像

 最後になりますが、社会資本整備の将来像についてです。いままでのお話では、調査、設計、施工、維持・管理というプロセスを一つの構造物に着目してCIMというものを紹介してきました。どちらかいうとBIMに近いというか、CIMが一味違うのは将来的に災害対応になるというところです。例えば、本当の河川の管理というのは、どこかに木が生えてきたら水の流れる場所が変わり、整備する場所もかわる、そういった水系全体、トータルの水系全体としてのマネジメントが河川の管理です。そういった管理のツール、世界最先端となる次世代インフラマネジメントシステムで、単純な構造物だけではなく、川、道路、全体のマネジメントにCIMを使おうとしているのです。

 このCIMの導入について、是非皆様からご意見いただいて、ご協力を願えればと思っています。

 ご清聴ありがとうございました。